「協同」という言葉には,「一つのことのために心や力を合わせること」という意味がある。前述の通り,学ぶことを問いをもって対象とかかわりながら,よりよい自分や社会をつくるためと捉えるならば,人は個人の主観の中だけで学ぶのではなく,協同的に学ぶことが必然となる。村松賢一氏が,その著の中で,「一つの社会を共同で営む人間にとって,他との相互作用で吟味されない,自分だけの『わかり方』というものはあり得ない」また,「『わかる』ということは,一人では成り立たない」と述べている。*5つまり,思考力・表現力は他者との相互作用で高まるものであり,その結果得られる知識や技能も,個人の主観の中だけで「分かった。」「できた。」というものでは信頼性が低い。他者に対しても矛盾なく説明できたり,他者から見ても能力が向上したことが分かったりすることで価値のあるものとなる。さらに,異なる意見にも耳を傾け,合意を形成していこうとする態度もあってこそ,学んでいると言えよう。 |